犬の口の病気

乳歯遺残

一般的に生後6か月には乳歯は抜け、永久歯へ生え変わるとされています。

生後6か月以降になっても乳歯が残っている場合は乳歯遺残と呼ばれる状況で噛み合わせなどのトラブルへつながることもあります。

小型犬に多くみられるため注意が必要です。

埋伏歯

歯が萌出してこない(歯が生えてこない)ことを表します。

埋伏歯をそのままにしておくと、嚢胞化(水ぶくれのようになること)するおそれがあり、その一部では腫瘍化するリスクがあります。

子犬の時期に歯の数を確認し、永久歯への生え変わりの完了を確認することにより病気を防ぐことが出来ます。

歯石の沈着・歯周病

歯石とはプラークと呼ばれるバイキンの塊がカルシウム、リンなどが石灰化して石のようになったものを言います。

歯石は歯周病の悪化要因となっています。

また、3才以上の犬の80%以上で歯周病があると言われています。

歯周病が悪化すると、食事中の口の痛み、鼻水、目の下の腫れ、下顎の骨折、歯が抜け落ちる、全身的ストレスなどの様々な影響を及ぼします。

特に、心臓、肝臓、腎臓への悪影響も確認されているため、お口を綺麗に保ち、体を健康的に維持することが大切です。

破折(歯が折れること)

ひづめ、骨、硬い乾燥皮の製品、硬いおもちゃを噛んでいると歯が割れることがあります。

歯が割れた場合、歯髄とよばれる神経や血管を含む歯の内部が露出することにより、感染を起こしやすくなります。

結果、抜歯、歯内治療などが必要となってしまいます。

何よりも硬いものを噛ませない、歯を折らないという予防が重要です。

ボールやフリスビー、ケージの噛み癖も歯髄露出の原因となるため、注意してください。

口の中のできもの

良性のできもの、悪性のできもの(腫瘍)のどちらも発生がみられます。

良性のできものの場合、全身的に転移をおこすことはありませんが、歯を押しのけて大きくなる傾向があります。

悪性のできものの場合、全身的な転移を起こすおそれがあり、早期の発見治療が大切です。

わんちゃんではメラノーマ、扁平上皮癌などが多く見られます。